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2024年ウルトラ・ボリビア・レース参加記録

@tk-hashimoto2024-09-23ボリビア · Sep 9d

標高4,000m級のボリビア・アルティプラーノとウユニ塩湖を7ステージ220kmで走るセルフサポート式レース。日本人完走者がほぼいない大会で、ステージレース初入賞となる総合3位でフィニッシュ。

Attachments — 寄稿者の参考資料
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Instagram投稿(出走宣言)
大会概要、練習履歴、ボリビア入りと高山病について
https://www.instagram.com/p/DAIjhj_xpwk/
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Instagram投稿(装備・食料紹介)
ナンバー14、装備総重量8kg、ウェア/補給/プロテインなどの詳細
https://www.instagram.com/p/DAO4yeQyDNq/
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Instagram投稿(総合3位入賞報告)
結果報告、誕生日ケーキ、ウユニ塩湖100km
https://www.instagram.com/p/DAhDS6by2KT/

ボリビア・アルティプラーノ高原(標高3,800〜4,000m級)を舞台にした、7ステージ220kmのセルフサポート式ステージレース。衣食住をすべて自分で背負い、ゴール地点はあの ウユニ塩湖。日本人で完走している人がほぼいない大会という情報を聞き、「できれば入賞したい」と狙って参加した。

結果は 初日1位、最終総合3位。ステージレースに参加するようになって初めての入賞となった。レース中盤は高所と暴風と体調不良に追い詰められたが、最終日に笑顔でゴールできた1週間。

練習・準備

実は 2023年10月から2024年3月までほとんど走れていなかった。仕切り直しのために、4月から本格的にトレーニングを再開した。

  • 期間:レース 4〜5ヶ月前(2024年4月)から本格再始動
  • 練習として参加した大会
    • 広島湾岸トレイル
    • クマン100
    • 中央アルプススカイラインジャパン
    • 野沢温泉トレイル
    • 西湖トレイル
    • 白馬国際クラシック など
    • 最初は調子が上がらず、途中でやめた大会もあった
  • 荷物背負っての山トレ:高尾山、塔ノ岳、鳳凰三山、焼岳ほか
  • 現地適応:La Paz の空港自体が標高4,000m超。到着時点で絶賛高山病中だったので、レース開始までに順応させるのが最初のミッション

道標は「表=オレンジ/裏=黄色」の矢印で、運営から「黄色(裏面)が見えたらコースをロストしている合図」と説明された。スタッフが少なく道標が動かされている可能性もあるとのことで、迷ったら立ち止まって地図を確認するのが鉄則。

装備

ゼッケン(ナンバー)は 14。総重量は色々削って 約8kg に着地。

  • バックパック:ステージレース用ザック
  • ウェア:今回はあえて袖ありTシャツ。強烈な日差し対策+寒さ対策のため、肌を覆う方向に振った
  • ファイテン(@phiten_official:これまでの過酷なレースもテーピングで乗り切ってきたので、今回もお世話になった
  • 必携装備:寝袋(-10℃対応)、断熱マット、サバイバルシート、救急キット、ヘッドランプ×2、ナイフ、コンパス、固形燃料タブレット、水ボトル×2

寒い地域なので、ジャケットなど夜の防寒装備は削らずに残した。ここをケチると夜に動けなくなる。

食事・補給

  • メイン食事:山飯ゆかさんの UL弁当@ul_bento)。水さえあれば美味しく食べられて、ステージレースでとにかく重宝する
  • 行動食俺は摂取す を1日1個。これで夜のリカバリーまでカバー
  • エネルギー粉GU のエネルギー粉@powersportsjp)を水に溶いて走りながら補給
  • カロリーブースト枠(実験)ピザポテト。荷物に対してカロリーが取れるか試したかった
  • 初日朝の燃料(荷物に換算されない):UFO 爆盛りバーレル。これだけで1,000kcal、最強の焼きそば
  • ご褒美:水で戻せる ルイボスティー。水だけ飲み続けると水が飲めなくなる現象を以前のレースで経験して以来、味のある飲み物を必ず1本入れている
  • リカバリーSteady のプロテイン@steady_jp)。甘いものが極端に減るレース中盤、ほんのり甘いプロテインが「明日の体を踏み戻す儀式」になっていた

3日目に20km過ぎから気持ち悪くなって食事が止まった。標高+暑さ+脱水のコンボだったと思う。ステージレースで食えなくなる怖さを久々に味わった。

レースレポート

スタート地点の標高は 約3,800m。アルティプラーノを北から南へ走り抜け、最終ステージで世界最大の塩湖・ウユニに着くという壮大なルーティング。

Day 1 — 33km

スタート前のバックパックは、8kgに抑えたつもりがずっしり重い。「標高4,000mで30km走るなんてほとんど経験がない」状態。

5km地点で1km6分ペース、心拍はすでに100超え。それでも前に出続けて、20km地点で塩湖の絶景が広がる。「絶景。今は順位より景色を楽しもう」と切り替えた瞬間に楽になった。

残り12kmはなんとか粘り、足を攣りながら 1位でゴール。夜はユカさんの UL弁当に味噌汁、グタクさんカレーで回復。明日もしまっていこうと思いながらテントへ。

Day 2 — 27km(誕生日)

この日は誕生日。「いい誕生日プレゼントをもらえるように」と気合を入れてスタート。

コースは終始強風。前日から熱中症気味で体が重く、無理せず脚を使う。中盤以降は暑さで全員のペースが落ちる中、粘って 2位でゴール

ゴール後、運営から サプライズの誕生日ケーキ を用意してもらった。ボリビア式のお祝いらしく 顔からパクリと突っ込まされる という洗礼つき。「生きてきた中で一番嬉しい誕生日ケーキ」だった。

Day 3 — 33km

この日が一番きつかった。標高4,000mを超える登りで、20km過ぎから気持ち悪さが出て食事ができなくなる。「歩いてでもいいから一歩一歩進まないと意味がない」と言い聞かせて進む。

ゴール後の夜、テントが台風並みの強風に煽られ続けた。「こういう過酷な状況もステージレースの一つなんだけど、これはちょっとひどすぎる」というレベル。眠れないまま朝を迎えた。

Day 4 — 29km

前日に順位を落としていたので、巻き返しに行くステージ。「荷物も毎日軽くなって全体のペースが上がってくるはず。最初の20kmは1番手についていく」という作戦に切り替えた。

途中、山で道を間違えて崖を無理やり降る という事件もあった(後から見れば、これも全部いい思い出)。岩を飛び越える区間で着地のたびに膝が痛むのと、寒さで体が固まるのに苦しめられたが、アルパカが水を飲む牧歌的な景色に救われた。

「コーラがあったらマジで回復する」と何度も思いながら走った1日。

Day 5 — 30km

ひたすらまっすぐ走る30kmの直線ステージ。スタートからゴールが見えているという、これまで経験したことのないコース。前後の選手にペースを合わせて淡々と進めた。

このステージから先は生活パートも印象的だった。

  • トイレ:地面に穴を開けたタイプ。終わったらスコップで埋める
  • :飲料は支給、洗顔・体拭きは別の水(飲用不可)でバンダナを濡らして拭く
  • リカバリー:ゴール後 Steady プロテイン。甘いものが極端に減るレース中盤、ほんのり甘いプロテインが「楽しみのストック」になる

Day 6 — 42km(マラソンステージ)

最長ステージ。山のすぐ横に張られたテントからスタートして、22km地点で「楽しい!」と言える余裕が戻ってきた。

何もない道をひたすらまっすぐ。18kmで半分、40km地点で「残り1km、頑張っていきます」とカメラに向かって声を出していた。最高の景色だった。

Day 7 — 26km(最終ステージ/ウユニ塩湖)

最終ステージ。ゴールはあの ウユニ塩湖。「楽しく走りたい」とスタート。

20kmまではめちゃくちゃ辛かったけれど、ラスト4kmで遠くにゴールが見えてきて、最後は笑顔でゴール。ゴール地点ではコーラが用意されていて、「こんなうまいコーラ初めて」と本気で思った1本。

このレースを通して、ウユニ塩湖を100km以上走ることになった。「もう一生塩湖は楽しめました」と言えるだけのスケール。

振り返り

220kmを自分で食料を背負って走り切り、初日1位、最終総合3位でフィニッシュ。ステージレース初入賞 となった。

良かった点:

  • 4月からの再始動と、毎週のように出続けたトレイル大会の積み上げで、登り基調のコースに対応できた
  • 装備重量を 8kg に抑えたことで初日に勝負ができた
  • 「絶景に切り替える」「1番手についていく」など、ステージごとに作戦を切り替えられた

苦しんだ点:

  • 3日目の食えなくなる現象。標高+暑さ+脱水のコンボ。事前に高所順化をもう少しできれば違ったかもしれない
  • 3日目の暴風。テント設営場所は選べないので運次第の側面はある
  • 寒暖差。日中は熱中症レベル、夜は氷点下に近い

これから挑戦する人へ:

  • 道標は「表オレンジ/裏黄色」、黄色が見えたらロスト合図。地図と照らして立ち止まる癖をつけたほうがいい(実際に道を間違えて崖を降った)
  • リカバリーで気持ちを上げたいなら、自分用の「ご褒美」を1日1個持っていくと精神的に効く(味のある飲み物は特におすすめ)
  • 直線30kmや42kmマラソンステージは、前後の選手にペースを預けると消耗が減る
  • ボリビア入りの時点で空港が標高4,000m超なので、現地に早めに入って順応する時間を取ったほうがいい

ボリビアの景色は本当に「地球じゃないみたい」だった。山道、見知らぬ街、永遠と続く真っ直ぐな道、間違えて降った崖、そしてウユニ塩湖 ── 全部いい思い出になった。

About the contributor
@tk-hashimoto

橋本 健志

世界中のステージレースへ参加。サハラマラソン、エベレストトレイルレース、ウルトラボリビアレース、The Coastal Challenge他、複数の大会に参加、入賞経験あり。

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